ライティング

中学英文法、比較級と最上級を理解しよう

物事を表現するとき、2つを比較してみたり、そのグループのなかで一番といったような伝え方をすると、相手に言いたいことがより伝わることがあります。
「このランニングシューズのほうが以前のものより早く走れる」
「花束のなかで、この花が一番好き」
などという感じですね。
それが英語の場合、中学で習う英文法の「比較級」と「最上級」です。
英会話や英文読解、または試験対策のために、比較級と最上級を理解することは必須と言えます。
そこで今回は、英文法「比較級」と「最上級」を取り上げます。
あやふやな使い方をしている方も、今一度理解する機会となれば幸いです。

中学英文法「比較級」

比較級という呼び方から、物事を比較するときの英文法です。
よって、「~より、⚪︎⚪︎です」という表現になります。
日本語で自然にそうしているように、比較する場合は、そのものと比較対象が同等の関係になります。
まずは、日本語で説明しましょう。

例えば、
私は、英語よりフランス語が好きです。
彼はぼくより背が高いです。
といったように、「英語とフランス語」、「彼とぼく」が同等で比較対象になります。
日本語では比較級は普段、自然に使っているということが分かりますね。
英語では、「than」を使って比較級を表現します。
X is 「比較級」than Y.
=XはYより~(比較級)です。
英文法の比較級には、大きく分けて3つのパターンがあります。
以下、それぞれをみていきましょう。

比較級パターン1 語尾に-erをつける

比較級の第一のパターンは、形容詞と副詞の語尾に-erをつけるものです。
ここで確認!
形容詞=名詞を修飾する語。大きさ、形、色、状態などを説明します。
例えば、big, small, new, young, oldなどです。
副詞=形容詞や動詞を修飾する語。名詞以外を修飾する語と思うとスッキリします。
例えば、fast, late, hardなどです。
さっそく、例文でみてみましょう。

例:彼はぼくより背が高いです。
この日本語を英文に直すと、
「He is taller than me.」となります。

比較級のひとつめは、形容詞と副詞の語尾に-erをつけるパターンでしたね。
tallという形容詞の原形の語尾に-erをつけ、tallerにします。
彼は背が高いことを、自分と比べて説明しています。
単に、「He is tall.」(彼は背が高い)と言うよりも、比較の対象(ぼく)があることで、彼がどのくらい背が高いのか、聞き手の理解がより高まります。

もうひとつ例文をご紹介しましょう。

例:このりんごは、テーブルの上にあるりんごより大きいですね。
さっそく、英文にしてみましょう。
This apple is bigger than that apple on a table.
形容詞bigに-erをつけて比較級にしています。
が、bigerではなく、biggerと”g”がもうひとつ追加されているのにお気づきでしょうか?
比較級パターン1には、例外があります。

<例外1>「1母音字+1子音字」の場合は、語尾の子音字(biggerの場合の”g”)を重ねてから、-erをつけます。
hot→hotter
fat→fatter
sad→sadder

<例外2>「1子音字+y」の場合は、”y”→”i”に変えから、-erをつけます。
happy→happier
busy→busier
easy→easier

例外があると、少し難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、頭で考えるよりどんどん使っていくことで自然に覚えていくことができます。

比較級パターン2 直前にmoreまたはlessをつける

次はパターン2です。
形容詞・副詞は原形のままにし、その直前に「more」または「less」をつけるパターンがあります。
「more」は何かが勝っていたり増えたりする場合に使い、
「less」はその逆で、劣ったり減ったりする場合に使います。
パターン1とパターン2の使い分けは、ズバリ”形容詞または副詞の長さ”です。

長めの語彙には、以下のようなものがあります。
beautiful:
more beautifulまたはless beautiful
important:
more importantまたはless important
expensive:
more expensiveまたはless expensive
Interesting:
more Interestingまたはless Interesting

例文でみると、
Roses are more expensive than tulips.
バラはチューリップより高いです。
Football is more interesting than baseball.
フットボールは野球より面白いです。

比較級パターン3 不規則に変化する場合

以下のように、不規則に変化させる比較級があります。
良く使う語彙なので、できればすべて覚えてしまうことをお勧めします。
many(数が多い)→ more
much(量が多い)→ more
little(量が少ない)→ less
good(良い)→ better
bad(悪い)→ worse
well(上手に)→ better

例文もみてみましょう。
She plays piano better than I do.
彼女は私よりピアノを上手に弾きます。

ここまで比較級について解説しました。
ここからは、最上級に進んでいきましょう。

中学英文法「最上級」

最上級は、その名からも「一番」を表現するときに使う英文法であり、3つ以上のグループ内で、どれ・だれが一番なのかを伝えるときに使われます。
最上級の使い方を比較級と比較してみましょう。

最上級パターン1 語尾に-estをつける

形容詞または副詞の語尾に-erをつけることで比較級にしますが、最上級の場合は-estをつけます。
さらに、その形容詞(または副詞)の直前に定冠詞の「the」を必ず置きます。
theを使うことで、グループのなかの特定のものを限定すると理解してくださいね。
原型を最上級に変える例を比較級とともに紹介します。

big→bigger→the biggest
small→smaller→the smallest
new→newer→the newest
young→younger→the youngest
old→older→the oldest

さっそく、例文でみてみます。
This apple is the biggest in the box.
このりんごは箱のなかで一番大きいです。
Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
富士山は日本で一番高い山です。

「the」を直前につけ、そして語尾に-estをつけることがお分かりになりましたでしょうか?
これが最上級のパターン1です。

最上級パターン2 直前にmostまたはleastをつける

最上級のパターン2にいきましょう。
比較級では、形容詞・副詞は原形のままにし、その直前に「more」または「less」をつけました。
最上級にするには、「more」の代わりに「most」(もっとも多い)、または「less」の代わりに「least」(もっとも少ない)を使うだけです。
パターン1とパターン2の違いは、比較級と同様、形容詞または副詞の語彙としての長さです。

Mt. Fuji is the most beautiful mountain in Japan.
富士山は日本のなかでもっとも美しい山です。

ここでも、直前に「the」をつけることをお忘れなく!

最上級パターン3 不規則に変化する場合

比較級と同様、最上級のも不規則に変化するものがあります。
比較級と合わせてみていきましょう。
many(数が多い)→ more→ most
much(量が多い)→ more→ most
little(量が少ない)→ less→ least
good(良い)→ better→ best
bad(悪い)→ worse→ worst
well(上手に)→ better→ best

She plays piano best in her class.
彼女はクラスで一番、ピアノを上手に弾きます。

頭を整理するため、ここで一旦、比較級と最上級のパターンをまとめてみます。

まとめてみよう!比較級と最上級のパターン

比較級パターン1:語尾に-erをつける
比較級パターン2:直前にmoreまたはlessをつける
比較級パターン3:不規則に変化するもの

最上級パターン1:語尾に-estをつける
最上級パターン2:直前にmostまたはleastをつける
最上級パターン3:不規則に変化するもの
※パターン1にするかパターン2かは、形容詞・副詞の長さによって使い分ける。

ここまで、比較級・最上級の肯定文を解説しました。
最後に、疑問文をご紹介しましょう。

比較級・最上級を疑問文にするには?

比較級・最上級の疑問文を作成するには、大きく言えば、文章のなかの語彙の順番を変えていけば良いのです。
さっそく、比較級を例文でご紹介します。

肯定文:He is taller than me.
疑問文:Is he taller than me?
彼はぼくより背が高いですか?

この例文では、シンプルにheとisを入れ替え、文末に”?”マークをつけただけなのがお分かりですね。
もしくは、以下の疑問文も作成することができます。

Who is taller, he or me?
彼とぼく、どちらが背が高いですか?
彼かぼくと人なので「Who」を文頭に持っていき、文末に比較する人物やものを持ってきます。

そして回答が、以下のようになります。
He is taller than you.
彼のほうがあなたより背が高いですよ。
次に、最上級の例文を確認します。

肯定文:This apple is the biggest in the box.
このりんごは箱のなかで一番大きいです。
疑問文:Is this apple the biggest in the box?
このりんごは箱のなかで一番大きいですか?

この例文でも、シンプルにthe appleとisを入れ替え、文末に”?”マークをつけただけなのがお分かりですね。

中学英文法、比較級と最上級のまとめ

2つを比較するときに比較級、そのグループのなかで一番といったような伝え方をするときに最上級を使います。
形容詞または副詞に注目して変化させるのが比較級と最上級ですが、特にパターン3の変化の形を覚えるときは別々でなく、good→ better→ bestなど、一緒に覚えてしまうのがお勧めです。
比較級と最上級を理解することで、英会話が自然なものになったり、英文読解や試験対策に大いに役立ちます。
繰り返し使って、ぜひスラスラでるよう頑張りましょう!