コラム

イギリス英語を学ぶ。習慣やイギリス人についても!

皆さん、こんにちは!サリーです。
毎年3月の最終日曜、イギリスはサマータイムに切り替わります。冬の間に9時間だった日本との時差が、夏の間は8時間に縮まります。
そして、4月のイースターの頃には夜7時過ぎまで昼間のような明るさになり、真夏には10時前後でも明るい絶好の季節を迎えます。
イギリスの夏は地球温暖化により、以前よりも暑くなっています。
しかし、クーラー無しで過ごせる気温は、暑さの厳しい日本にはちょっと想像し難いことかもしれませんね。
さて、今回は英語は英語でも、イギリスの英語について取り上げます。
イギリス英語の特徴から、イギリス人やその習慣もご紹介しましょう。

イギリス英語の特徴とは?
英語と一口に言っても、大きく分けてイギリス英語とアメリカ英語に分かれます。
これらの英語には、発音・単語または文法の違いがあります。
イギリス英語は世界で一番話される英語として、イギリス以外にオーストラリア・ニュージーランド・インド・香港・シンガポール・南アフリカその他の国で使われています。
留学先として人気のマルタもイギリス英語です。
日本における英語教育は基本、アメリカ英語です。
ハリウッドなど多くの映画も入ってくるため、日本人は知らず知らずのうちにアメリカ英語に触れています。
そこで、イギリス人の英語をテレビやオンラインの動画などで聞いたり、旅行先で聞いたりしてアメリカ英語との大きな差を感じることがあります。
音楽やスポーツなど、イギリスの文化に面白さを発見すれば、自然とイギリス英語を学びたいという気持ちになりますね。

さて、そんなイギリス英語の特徴に注目していきましょう。

1) 発音について
イギリス英語の大きな特徴のひとつは、「発音」です。
イギリスの英語を考えるとき、多くの人が思い浮かべるのが「クイーンズ・イングリッシュ」でしょう。
クイーンズ・イングリッシュとは、もともとはイギリスの上流階級の人たちが使っていた英語です。
クイーンやロイヤルファミリー、貴族などが話す英語はRPと呼ばれます。RPとは、Received Pronunciationの略です。
これは「容認発音」という意味なのですが、イギリスの音声学者ダニエルによってつくられた用語です。
最初はパブリックスクール(イギリスの名門私立学校)で教育を受けたイングランド南部出身者の階級方言を指した後に、修正ののち、ロンドンで大学教育を受けた上流階級の発音を指すようになりました。
BBC(英国放送協会)で使われる英語として標準英語というポジションを持つのがクイーンズ・イングリッシュです。
イギリスには、クイーンズ・イングリッシュだけでなく、各エリアでそれぞれの鈍りのある英語が使われています。
ロンドン労働階級で使われるコックニー、ロンドンとテムズ川周辺で使われる河口域英語、スコットランドやアイルランド英語もあります。

イギリス英語で第一に注目したいのは、子音の前の”r”です。
”r”を発音しないイギリス英語は、聞き慣れているアメリカ英語の巻き舌が多用される英語と全く違う印象を持ちます。
”r”は単語の途中(here)でも最後(poor)にきていても、発音しないのです。

もうひとつ挙げるのであれば、”t”の発音でしょう。
代表的な例はwaterです。アメリカ英語では”t”をはっきりと発音しないため「ワラー」となりますが、イギリス英語では「ウォーター」というようにスペリングのまま”t”をはっきりと読みます。

これらの他にもアメリカ英語と違う発音がありますが、イギリス英語の全体的な印象は巻き舌のないクリアな英語になります。
tomatoをアメリカ英語で「タメイトゥ」とするのに比べ、イギリス英語は「トマトゥ」という感じで日本語のアクセントに近いですね。

2) 時間や日付の表現について
アメリカ英語を習ってきた日本人にとって、イギリス英語の時間や日付の表現の仕方はしっかり慣れる必要があります。
まずは、時間です。以下、イギリス英語の表現を紹介しましょう。

8:10 ten past eight(8時を10分過ぎた)
8:50 ten to nine(9時まで10分)
↑このように、各分については”○時半を境”に「past」「to」を使って表現します。

8:30 half past eight(8時から半分過ぎた)
8:15 quarter past eight(8時を15分過ぎた)
8:45 quarter to nine(9時まで15分)
↑時計を4分の1に分けて考えるので、quarter(4半分)を使って表現します。

次に、日付の表記もみていきましょう。
日本語で2020年4月10日というときのイギリス式日付は以下となります。
10th April, 2020
↑このように、日・月・年となります。
アメリカ式は、月・日・年と月日が入れ替わります。

ここに曜日が加わる場合は、
Saturday, 10th April, 2020というように、曜日が先頭にきます。

イギリス式ですと、学生に習ったアメリカ式表現とかなり違うことが分かりました。
しかし、使うことの多い表現ですので、何度も使って慣れていくようにしましょう。

3) 英文法について
英文法でもイギリス英語には特徴があります。
こちらでは軽く触れておきましょう。
Do you have XX?という見慣れたフレーズですが、これはアメリカ式であり、イギリス英語になると、「Have you got XX?」となります。
これらは日常会話でよく使われるのでポイントを抑えておきましょう。

また、現在完了形をよく使うという特徴もあります。
現在完了形とは、中学3年で習う文法で「have+動詞の過去分詞」の型で、継続・経験・完了の意味を表わします。

”教科書を忘れてきてしまった”という文をイギリス英語に直すと以下になります。
I have (I’ve) forgotten my text book.

これをアメリカ英語にすると、
I forgot my text book.

と、単なる過去形で表現することになります。
他にも文法の特徴がありますが、今後紹介していければと思います。

4) 単語やスペリングについて
イギリス英語にはイギリス英語の法則があり、それは単語やスペリングにも表われています。
daily英語通信ではこちらのページで、イギリス英語とアメリカ英語の単語やスペリングの違いを取り上げています。
ぜひ、ご参考にしてくださいね。
「イギリス英語とアメリカ英語の違い!スペリング・単語」

一度に見ると、とても覚えられないと不安になる人もいるかと思います。
しかし、イギリス英語とはアメリカ英語と違う部分が結構あるということを確認していただき、あとは自分が必要とする場面で必要なものから覚えていきましょう。
さて、ここからはイギリスに関して少し気楽なトピックに変えていきましょう。

イギリスのイメージとは?
イギリスにどんなイメージをお持ちですか?
ここで、渡辺愛子氏「イギリス・イメージ調査」中間報告から、イギリスのイメージをご紹介しましょう。

<イギリスと言えば?>
紅茶(アフタヌーン・ティー)
王室
ビッグ・ベン
ロンドン
ビートルズ
ユニオンジャック
紳士
英語
フィッシュ&チップス

<イギリスの著名人>
マーガレット・サッチャー
ウィンストン・チャーチル
ディビット・ベッカム
ジョン・レノン
シェイクスピア

<イギリスの持つ強み>
世界語としての英語
伝統、文化
安定した経済
教育制度

長い歴史を持つイギリスは、古いものを大切にしながらも常に前進する国なのです。

引用元:
渡辺愛子氏「イギリス・イメージ調査」中間報告

イギリス人の習慣とは?
イギリスはイギリスならではの文化を持つ国です。
ヨーロッパに属する地理的な位置にいるにもかかわらず、独自の文化を育んできました。日本と同じ島国でも、特にロンドンは様々な移民から成り立っている都市と言えます。
2020年1月31日午後11時に実施された「EU離脱」も世界中で大きなニュースとなりました。
Brits(発音は「ブリッツ」)と呼ばれる英国人は、いったいどんな習慣を持っているのでしょうか?

・マナーとコミュニケーションを大切にする
イギリス人は「ありがとう」をきちんと口に出して言います。
例えば、道を歩いていて、向こうから人がくればいったん立ち止まり、通してもらった方の人は「thank you」を言います。
公共バスに乗るときはドライバーに「hello」、降りるときは「thank you driver!」とお礼を言います。
電車でお年寄りが乗ってくれば、我先にと席を譲ることが珍しくないですし、譲られる方もそれを「thank you」と受け入れます。
マナーとコミュニケーションに関し、こんな気持ち良い習慣が根付いています。
このような習慣により、差別に厳しいこと、チャリティ活動も大変盛んです。

・ユーモアが欠かせない、大声で喋らない、焦らない
普段の会話にはユーモアがたくさんです。「cynical(シニカル)」や「sarcasm(サーカズム)」というブラックジョークも健在です。
それに対するリアクションも上手で、会話のなかに笑いがたくさんあります。
そして、公共の場で大声で喋ることは良いことと思われていません。
レストランなどでも、注文やお会計のために、大声でスタッフを呼ぶことはせず、スタッフが自分のテーブル近くに来るのを待ちます。
忙しく動くスタッフを考えて、自分側だけの都合を考えることのないマナーだと言えます。
イギリス人が焦るところもあまり見ません。どっかりと構えて、電車1本逃すような時も走らず、コーヒー1杯買えるからいいんだといったスタンスを取ります。

・好きなものが変わらない
音楽、フットボール、パブ、ガーデニング、フルイングリッシュブレックファースト、日曜に食べるサンデーローストなど、長い間親しまれてきているものの人気が劣りません。
決まったルーティンを淡々とこなす習慣がイギリスには根付いています。

他にも、
階級に分かれている、
土砂降りでも傘をささない、
お腹を壊したときはバター無しのトーストを食べる、
紅茶をマグカップで飲む、
コーヒー文化が根付いている、
家中が暖まるセントラルヒーティングが主流、
ほとんどの家にはクーラーが無い、
カード文化が定着している、
クリスマスはすべての人にとって一大イベント、
などなど、たくさんのイギリスならではの習慣があります。

まとめ
イギリス英語、そしてイギリス文化には多くの特徴があります。
長い歴史を持つ国ならでは育まれてきましたが、それらを簡単に変えないところがイギリス気質と言えます。
英語を学習している方であれば、将来イギリスを訪れることがあるかもしれません。
イギリス英語や習慣について知っておくことはその時にきっと役立つでしょう!