コラム

小学生の英語事情 英語教育必修化は本当に英語力がつく?校外ですべきことも

サリーです。
皆さん、今日も英語に触れましたか?
イギリス人の夫と、南ロンドンでバーガーランチをしました。「テリヤキ」というメニューがあったので速攻オーダーしたものの、出てきたのは間違いなく「コロッケバーガー」でした・汗
日本語間違って使ってる~と思いながらもスタッフに言うこともなく、コロッケバーガーを美味しくいただきました。
海外、そんなことだってありますね!

今回は、英語は英語でも小学生の事情についてお届けしたいと思っています。
と言うのも、この2020年から小学校で「英語教育必修化」が始まったからです。
世界が近くなった今、日本はまだまだ英語を強化する必要がありますが、子ども達の英語力をつけるために英語教育必修化だけに頼って良いのでしょうか?
記事では、学校内・校外双方について考え、ベストなやり方を解説します。

2020年スタート!新学習指導要領とは?

近年のグローバル化、スマホやタブレットの普及、ビッグデータや人工知能の活用などによって、技術革新が進む日本。
私達も、少し前では考えられなかったような進化を感じながら生活しています。
そこで、日本政府が教育に関して改訂することを発表しました。
それが、「新学習指導要領」です。
政府の広報オンラインから、抜粋して紹介します。

新学習指導要領:
グローバル化や人工知能などの技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代、子どもたちは自ら課題を見つけ、学び、考え、判断して行動し、よりよい社会や人生を切り拓いていく力が求められます。
子ども達が「生きる力」を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂、また2020年より小学校から順に実施されます。
小学校中学年から「外国語教育」を導入、小学校における「プロミング教育」を必須化するなど、社会の変化を見据えた新たな学びへと進化します。

外国語教育:
小学校3・4年で「外国語活動」が、小学校5・6年で「外国語」が導入されます。
高等学校卒業までに、外国語でコミュニケーションできるようになることを目指し、「聞く」「読む」「話す」「書く」の力を総合的に育みます。
ここからは、文部科学省「外国語活動・外国語編」(平成29年7月)から、英語がどのように導入されるのか紹介します。

外国語活動の目標:
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、話すことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成することを目指す。

小学校3・4年
年間35単位
言語を用いて、主体的にコミュニケーションを図ることの楽しさや大切さを知ること。
自分のことや身の回りの物について、動作を交えながら、好みや要求などの自分の考えや気持ちなどを伝え合う活動。
または、簡単な質問をしたり、質問に答えたりする活動。

例)
This is my pet.
I’m tired. → Are you OK?
Do you like pizza? → Yes, I do.

小学校5・6年
年間70単位
身近で簡単な事柄について、伝えようとする内容を整理した上で、簡単な語句や基本的な表現を用いて、自分の考えや気持ちなどを伝え合うこと、また、読んだり書いたりすること。

例)
What would you like?
I’d like pizza.
OK, how about drinks?
No, thank you.

さて、ここまで小学校における新学習指導要領の内容を紹介しました。
中学年は「聞く」「話す」を中心に英語の楽しさを学び、高学年は中学校に向け、語句や基本的な表現を使い、実践的なコミュニケーションを学習することになります。

引用元:
政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html

文部科学省「外国語活動・外国語編」

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_011.pdf

では、新学習指導要領で本当に英語力が身につくのか検証します。

新学習指導要領、子ども達へ英語力は身につくのか?

これまでの日本の英語教育と今回の指導要領のおおきな違いは、「コミュニケーション」を重視したところになります。
その授業数ですが、小学校3・4年で年間35単位、小学校5・6年で年間70単位です。
では、この時間数で本当に子ども達の英語力はつくのでしょうか?
これまで中学生から始まった日本の英語教育は、英文法や暗記メインのインプット型の学習と言えました。試験に向けた学習とも言えます。
しかし、小学校から話す力・聞く力を養いながらコミュニケーション重視で英語に触れ、慣れ親しむことは今までにない授業内容であり、アウトプットを意識したことは評価できます。
しかし、中学年で週一回、高学年で週二回と言う授業数で、子ども達の英語力が確実につくとは言い難いでしょう。
子どもの脳は大変柔軟で、このことを考慮すれば多少の差はある可能性はあります。
しかし一旦、授業が終われば、校内も家庭も日本語です。
学校の授業だけに頼っていては、子どもの英語力がどんどんつくと期待することは正直難しいのです。
逆に、学校の英語授業で、子どもの英語力がグンと上がるということを期待するのではなく、英語をスタートするベースを作り出す機会が学校で行なわれるくらいの感覚でいることをお勧めします。
そうすれば、子どもに対して過度の期待をすることなく、英語に触れている状況を優しく見守ることができます。結果、子ども達がプレッシャーを感じることなく、英語に触れることが可能になります。
さて、この度の新学習指導要領によって、大切なことは以下になります。
中学年3・4年は、英語に苦手意識を持たないようにさせる、楽しく言語を学べるようにすること。
高学年5・6年は、教科として英語が加わりますので、成績もつくようになります。その後の中学校での英語学習にも大きく影響しますので、この時点で英語が不得意という感覚を持ってしまうことを避けるべきです。
学校では他の教科も大切であり、英語の授業数には限りがあります。
そこで、校外ですべきことが見えてくるのです。
さっそく、次で解説しましょう!

小学生の英語学習、校外でできることとは?

政府が今回の新学習指導要領を打ち出したこともありますが、大学生や社会人の皆さんもグローバル化の加速化、英語の必要性は常日頃、感じてらっしゃることと思います。

英語学習の低学年化は以前から言われていることであり、幼児や就学前の子ども達が”子ども英語教室”といった塾へ通うことも珍しくありません。
小学生対象、子どもの習い事調査でも、英語や英会話は2位にランクインしています。
親としては「臨界期」を意識し、子どもに英語で苦労して欲しくない、英語を使えるようになってグローバルに活躍できる選択肢を用意してあげたい、と言った思いがあります。
では、子どもが校外でできることには何があるのでしょう?
さっそく、場所別にご紹介しましょう。
家庭でできること
小学校で英語教育が始まりましたが、週に1回2回という頻度です。

家庭でできることとは何でしょう。
それは、「英語に触れられる環境作り」が一番です。
それも、ゲーム感覚だったり、楽しいことが大切です。
子ども達が英語って面白い!と思えるようにしてあげることが最も重要であり、楽しみながら英語に触れる毎日を過ごせれば、その後の英語学習に大きく影響するでしょう。

「保護者の方が一緒に楽しむ」ことも重要なポイントになります。
・アニメを一緒に見る
アニメや子ども向けの動画を一緒に見ましょう。
Netflixもお勧めです。
一つ一つの英語が分からなくても、画面から想像できる部分もあり、その場面で使われたフレーズが無意識に頭に入ります。
ただし、それらのフレーズを使いこなせることが目的ではありません。
インプットを楽しくたくさんすることが目的になります。
子どもだけに見せるよりも、時間の許す限り、お母さんお父さんも一緒に見て、楽しく時間を過ごしてください。

・絵本を読む
テレビやスマホといったものも良いですが、絵本もぜひ使ってください。お子さんの年齢よりずっと下の簡単なものから始めましょう。
そして、お子さんと保護者の方が登場人物をそれぞれ担当して、おもしろおかしく声を変えたりして読んでください。
お子さんはお母さんやお父さんが間違った英語を使うことを面白がったり、一緒に物語を読み上げていくことを楽しむこと間違いなしです。
「これ、何て読むか知っていたら教えてくれる?」とお子さんが優位に立つようなやり方も有効です。

・英語のラジオをかけっぱなしにする
英語環境を作るのに、ラジオはとても役立ちます。
どんな家事や用事をしていても、バックグラウンドに英語が流れる生活は環境作りに有効です。

・無料のアプリやYoutubeを利用する
インターネットの普及で、アプリやYoutubeを無料で利用する時代です。
英語学習も子ども向けのものがたくさんあります。
代表的なものに、皆さんもご存知の「Sesame street」や「Snoopy」があります。
「Lingokids」「Fun English」など、ゲーム感覚で英語を学べるアプリも多くあります。
ぜひ、お気に入りを見つけて習慣的に見る癖をつけましょう。

・オンライン英会話を利用する
子ども向けのオンライン英会話の利用もお勧めです。
オンライン英会話を利用する最大の目的は、外国人講師と触れ合いながら英語を学ぶという点に尽きます。
お子さんと講師を一緒に選んだり、ご家族で利用したりすると良いですね。
オンライン英会話のメリットは、自宅にいる時間を使えること、いつでもレッスンを受けられるのに費用が安いこと、外国人に慣れることです。

英検に目標を設定する
小学校高学年になると、英語が教科となるため、成績がつきます。
高学年で学ぶ単語数は、中学1年生の1,200語の約半分の600~700語です。
ただただ暗記をすることは、暗記が不得意な子どもにとっては辛いですね。
しかし、中学に上がってさらに学習を続けることを考えれば、英語にアレルギーを持つことは絶対に避けたいところです。
そこで、目標設定をしてみてはいかがでしょう。
「英検」を受験する小学生が増えています。
英検5級受験のためには、約600単語数を覚える必要があり、小学校で学ぶものと同等です。
英検を取得したり、語彙数を増やすことは、中学校での英語学習に大きなアドバンテージとなります。
おこさんにとっても、目標があるということはポジティブな学習態度につながるケースがあります。
しかし、お子さんの性格なども考慮し、受験が成功体験になるよう注意してあげましょう。
中学受験で英検優遇校として、英検の取得級に応じて加点し、入学料を免除するという学校もあります。
モチベーションが上がり、英検受験が成功すれば、お子さんの条件がどんどん良くなるという嬉しいスパイラルが起こります。

小学生の英語事情まとめ

政府の新学習指導要領のなかの英語教育について解説し、校外でできることも紹介いたしました。
小学生にとって、最も大切なのは、

・英語を楽しめる環境作り
・楽しく学習するモチベーション作り

この2点になります。
加えて、英検受験のための準備など、お子さんの様子を見ながら目標設定をすることをお勧めします。
目標設定は、海外旅行で外国人と挨拶などのコミュニケーションを取る、国内で外国人と触れ合うイベントに参加するといったものでも構いません。 とにかく、プレッシャーを与えることは避け、楽しく英語を使う環境と機会を増やしていきましょう!